設置
1962年
60年以上の歴史ある学科です。
学生数
464名
2022年5月1日現在
男女比
男74:女26
2022年5月1日現在
卒業生数
5,550名以上
2022年3月時点
専任教員数
18名
2023年度
研究室数
12研究室
2022年4月1日現在
受賞・表彰
15件
2021年度(学部⽣、院⽣、教員、研究室)
進学率
75.0%
2022年3月31日現在
進路決定率
98.1%
進学+就職 2022年3月31日現在
皆さんの身のまわりを見てください。電化製品や車、化粧品や洗剤、衣服や医薬品など、私たちの生活に欠くことのできない、すべてと言っても決して言い過ぎではない多くのものが、化学物質から作られていることに気付くはずです。工業化学では、基礎化学の研究を通して、生活を豊かにする物質を開発し、それらを世の中に提供するために製造コストや製造プロセスの安全性などを考慮し、最も工業化に適した物質製造方法を探究します。
製造コストを抑えるには、より効率的で安全で、かつ廃棄物を出さない精密な反応の開発が必要となります。また、物質の機能をさらに向上させ、少量で効果のある物質を生み出す努力も必要になります。さらに、近年では「石油資源の枯渇」、「二酸化炭素による地球温暖化」、「廃棄物による環境汚染」が深刻な私たちの死活問題となっています。従来の製品の多くは石油を原料としてきました。エネルギーも同じです。今後は石油に依存しない製品の開発や石油に代わる新しいエネルギー生産、廃棄物の効率的リサイクル、環境分析技術を考えなければなりません。今後の地球生活も工業化学の成果にかかっているのです。
工業化学科では、こうした要請に応える人材(研究者、技術者)を養成するために、有機化学、無機化学をはじめとする基礎化学に加え、化学と生物、化学と物理などの境界領域を教授し、化学工学を修得させる教育・研究活動を活発に行っています。
化学は基本的には原子・分子レベルでの物質の構造や性質を解明し、それらを応用して新しい物質や反応を構築する、いわばものづくりの基本となる学問です。そして、工業化学は工学的な側面から化学を研究する学問であり、化学の理論的研究や新しい物質の探索・創造に留まることなく、「もの」のライフサイクルすべてに関わる学問です。そこには、物質の生産に必要な周辺技術、例えば優れた触媒の開発、環境にやさしい安全でクリーンな製造プロセスの確立、資源の有効利用、さらには効率のよいエネルギー変換システムの構築なども含まれます。
このような観点から本学科では、「人類に必要な物質の創製及びそのための製造方法を開発すること」を研究の理念とし、学部においては基礎教育と実験・演習を重視し、活発な研究活動を通じて、実力のある研究者、化学技術者の養成を目指しています。しかし、「化学が好き」あるいは「化学に興味がある」だけで研究者、化学技術者になることは難しく、本学科に興味をお持ちの皆様には、日ごろの勉学において、次のような点を心に留めていただくことを希望しています。
大学への入学はゴールではありません。むしろ将来へのスタート地点がたったといった方がよいでしょう。ですから大学入学を目的とすることなく、大学で何をどのように学ぶか、(さらに言えば将来は何をしたいのか)という意識を持って大学に進学してください。これは大学で勉学をする際のモチベーションにもなるはずです。
自分の意見を相手に正確に伝えることはとても大切です。そのためには論理的な思考が必要になり、この基本は正確な日本語で表現するための国語力です。現代社会では国際的視野で行動するために英語力も重要ですが、日本語もおろそかにせずしっかり訓練してください。
化学の実験ではさまざまな現象が現れます。ほんのわずかな変化の観察から世紀の発見につながった例も数多くあります。また、化学は暗記モノと考えられがちですが、さまざまな反応や法則の裏側にあるなぜそうなるのか、どうしてそうなるのかを考える癖を付けてください。
化学とは関係のない話に聞こえるかもしれませんが、大学の化学はより論理的になり、化学反応や相変化といった現象を数式で表すようになります。また、応用分野が非常に幅広い学問でもありますので、数学と物理学の基礎をしっかり身に付けてください。
実力主義の伝統を堅持しつつ、高い専門性と倫理観、国際的な視野を持った工業化学分野における研究者・技術者等の養成を目標とし、以下の知識、能力を身に付け、学科が定める所定の単位を修得した学生に対して、卒業を認定し、学士(工学)の学位を授与する。
建学の精神と実力主義の伝統に基づく、本学の教育研究理念のもと、