Lab / Faculty

近藤研究室

材料・プロセス

物理化学

ナノ〜マイクロワールドの時空間制御を⽬指す

毎⽇の洗濯で使う洗剤の主成分は、界⾯活性剤です。また、私たちの体は界⾯活性剤(洗剤とは分⼦構造が異なりますが)の集合体で構成されています。このように界⾯活性剤はとても⾝近な化合物です。
当研究室では界⾯活性剤集合体の「かたち」がどのような因⼦によって決まるのかを解明し、その「かたち」を光などの外部刺激を使って制御する研究を行っています。また、界面活性剤がつくる「泡」の構造解析にも力を注いでいます。この解析を進め、機能性のある泡の開発にも取り組んでいます。
これらの研究を通して、⼯業分野、⽣体分野などさまざまな分野に貢献したいと考えています。

卒業⽣・修了⽣の就職先(⼀部)

キヤノン・ポーラ・三菱化学・東レ・東京ガス・信越化学・コニカミノルタ・東洋製罐・ファンケル・凸版印刷・警視庁・東京都など

分⼦集合体の機能及び形態の制御

当研究室では、両親媒性分⼦(界⾯活性剤)、すなわち分⼦内に疎⽔基と親⽔基をあわせもつ化合物を扱っています。洗剤や洗剤の親戚を相⼿にしていると⾔った⽅が分かやすいでしょうか。
私たちの体は、両親媒性分⼦が精緻に⾃⼰集合したもので、体内ではさまざまな分⼦集合体が⽣命活動に関わっています。また、毎⽇の洗濯やシャンプー、⽜乳やバター、ローションやクリームなど、あらゆる場所に界⾯活性剤とその集合体を⾒出すことができます。このように界⾯活性剤は⾮常に⾝近な化合物です。
界⾯活性剤の研究、とくに⼯業的な側⾯からの応⽤に関する研究は、1900年代中頃から活発になされてきました。「表⾯張⼒の低下」「可溶化」「乳化」「分散」「湿潤」「ぬれ」等の界⾯活性剤の特性は、どれをとっても私たちの⽣活に役⽴ってきたことは⾔うまでもありません。この観点から、当研究室では、「新たな界⾯活性剤の特性もきっと私たちに役⽴つであろう」とやや楽観的ではありますが、期待をもちつつ研究に取り組んでいます。
当研究室では、従来の界⾯活性剤とは分⼦構造が異なる新たなタイプの界⾯活性剤を有機合成し、それらの溶液物性を明らかにすることを⼀つの⽬的としています。また、このように⾝近な界⾯活性剤の⾃⼰集合形態がどのように決定されるかを追究し,、その集合体の機能や形成機構を⼯業分野を初めとするさまざまな分野に応⽤することを精⼒的に⽬指しています。

主な研究テーマ

ハイブリッド界⾯活性剤のユニークな溶液物性の探索と解明

従前の界⾯活性剤のほとんどは、疎⽔基として炭化⽔素鎖またはフッ化炭素鎖を有するものです。当研究室ではハイブリッド界⾯活性剤と呼ばれる、疎⽔基として炭化⽔素鎖とフッ化炭素鎖を同時に⼀分⼦内に有する界⾯活性剤を合成し、その溶液物性について検討しています。分⼦構造が変わると、溶液物性にも⼤きな変化が時々あるものです。ハイブリッド界⾯活性剤が⽰すユニークな物性の応⽤についても研究しています。

ポリマーリポソームの調製と物性に関する研究

薬物送達システム (DDS) へ応⽤可能な、または溶液環境の変化によって壊れにくいカプセル(閉鎖⼩胞体)として、ポリマーリポソームの調製を試みています。また、得られたポリマーリポソームの物性を評価しています。

遺伝⼦送達能⼒を有する界⾯活性剤の合成と物性

DNAとイオン性コンプレックスを形成し、細胞へDNAを運搬可能なカチオン性界⾯活性剤を合成しています。カチオン性界⾯活性剤には、酸化還元活性な官能基を導⼊し、電気的に細胞への遺伝⼦導⼊がON-OFFできるような⼯夫を施しています。なお、この研究の物性は⽶国の⼤学との共同研究です。

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