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上⾕研究室

エネルギー・環境

物理化学

バイオナノファイバーによる機能材料創製

生物が体組織として生み出すバイオナノファイバー素材には、構造・形態・材料機能・持続性などあらゆる側面で自然の叡智が詰まっています。次代の持続的な材料開発に向けて、バイオナノファイバーの構造と物性をよく理解し、そして上手く活用することで、クリーンな高機能材料へと変換することが期待されます。そこで当研究室では、セルロースやキチンなどのバイオナノファイバーを用いて、材料構造・形態を評価するための新規な技術開発研究(コトづくり)と、放熱部材・透明フィルム・多孔質体・ナノコンポジット(複合材料)・エレクトロニクス向けパッケージングといった高機能を発現する材料開発研究(モノづくり)を両輪で進めています。日々の細かい研究作業を緻密に推進しながら、意外性ある発想力を原動力としてワクワクする材料研究を行っています。

主な研究テーマ

ファイバーの形態・構造評価技術

セルロースやキチンのナノファイバーはバイオマス原料を微細化(解繊処理)して製造するため、処理の程度に応じて異なる形態のファイバーが生じます。それらのファイバーを材料として特徴づけ、また上手く活用するには、形態や構造を評価する技術が不可欠となります。当研究室では、新たな光学指標に基づきファイバーの構造評価を行う技術開発(コトづくり研究)を行っています。新たに識別されたファイバーが新たなモノづくりに繋がるよう、ナノ構造の見える化に挑戦しています。

化学組成と物性に基づく新機能発掘

極細のバイオナノファイバーは大きな比表面積を持ち、表面の化学組成がその性質を特徴づけます。そのため、表面の化学組成を設計・制御することで物性デザインが可能です。同時に多彩な材料活用に向けて、ナノファイバーの集積構造を制御し、熱特性・光特性・力学特性・加工特性など巨視的な諸物性と関連づけることが重要です。当研究室では、ナノファイバーのミクロな化学組成とマクロの物性を一貫して設計・評価し、バイオナノファイバー材料の新しい活用性を切り開きます。

伝熱複合材料と放熱機構の開拓

電子機器が発達するにつれて発熱密度が増加し、放熱対策がますます重要となります。当研究室では、バイオナノファイバーとカーボンファイバー等との高度複合化により、熱を自在に拡散・放熱する熱対策部材の開発を行っています。3Dパターニング技術によるファイバーの構造化やレーザーによる切り紙加工など、各種技術を駆使してユニークな放熱機構の開拓を進めており、新しい発想に基づく巨視的熱マネジメント技術の提案に挑戦しています。

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