Career

視野が広がった就職活動。
実験や研究で養われた分析力や
ロジカルな思考が企業から評価

後藤 琳さん(工業化学科4年)

内定先
キヤノンビズアテンダ株式会社
所属研究室
伊村研究室
卒論テーマ
水と有機溶媒の両方に分散性を示す銀ナノ粒子の合成
出身校
神奈川県・相洋高等学校
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化学の分子構造を考えるより、それをどう応用させていくかを考える学科

化学が好きで、将来はものづくり、特に化粧品開発などに携わってみたいという思いから、工業化学科に入学。高校時代に研究室を見学したとき、先輩たちが実験している姿を見て憧れを抱いたことも入学の決め手になりました。工業化学科は、実験とそのレポート作成が想像以上に大変で、友人たちとの協力は不可欠。おかげで、協調性を身に付けることができたと思っています。3年次に就職する道を選びましたが、最初は、やりたいことが明確ではなかったため、化学や理系の知識を活かせる業種を中心に、広く企業や職種を見てみようと、まずはメーカーやIT企業などのインターンに参加。3年次の冬から、本格的に就職活動を開始しました。

理科大生限定のセミナーにも参加。視野を広げると、将来の選択肢が増える

学内外で理科大生向けの就職セミナーや講座なども開催されているため、企業や就職情報を得られる環境も豊富にあります。私の場合、理科大のOB・OGが登録するサイト経由で同じ学部卒の先輩の話し聞き、就職活動の参考にしました。先生方の理解もあり、卒業研究と就職活動を両立しやすかったことも良かった点です。インターンで、キャノングループの技術やノウハウを活かし幅広いBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を展開するキヤノンビズアテンダ株式会社を知りました。資格を取得している社員が多く、努力しがいがある会社だと感じ応募。内定をもらうことができました。

大学で培った論理的思考は、どんな仕事でも活かせるスキル

採用の面接では、「理系で学んだことを仕事でどう活かすか」という質問もありましたが、工業化学科での学びの中で、例えば、実験で失敗した事実や結果を踏まえて、それを分析、考察するといった、論理的思考が身に付ついたことは、仕事をする上で、役に立つと考えています。化学や実験が好きで、この学科しか見えてなかった高校時代。大学で化学分野の学問領域の広さを知り、また、就職活動を通して視野を広げることが、とても大切なことに気付かされました。目標を明確にすることも必要ですが、化学1つとっても視点を変えれば違った世界が見えてくる。いろんな角度から物事を見ると、自分の新たな可能性を広げられると思います。

材料から化学の道へ。
サスティナブルな研究で
希望した研究職に内定

屋田 洸さん(工業化学専攻 修士2年)

内定先
富士フイルム和光純薬株式会社
所属研究室
杉本研究室
卒論テーマ
二酸化炭素と環状アルキン構造を持つエポキシドの交互共重合と共重合体の歪み促進型Huisgen反応
出身校
福岡県・修猷館高等学校
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材料への興味から、化学を学びたいと工業化学科に入学

子どもの頃からプラモデル作りが好きでしたが、使われているプラスチック素材が年々進化していると、身近なものから漠然と材料に興味を持ちました。ただ、材料に限定してしまうのではなく、広く学びたいと考え、よりものづくりに近い位置で化学を勉強できる工学部の工業化学科に進学。学部の授業で、化学という学問領域の広さに驚き、その知識を深めるため大学院へ。主体的に取り組める研究は、やりがいも大きく、企業に就職しても研究を続けたいと考えるようになっていきました。他大の助教や企業の研究職をしている研究室OBと話す機会もあり、そのリアルな話しは自分の将来を決める上で、かなりプラスになったと思います。

コミュニケーションスキルを磨くためにTA(ティーチングアシスタント)に挑戦

研究室所属となってから、学生実験のサポートをするTAを経験。実験を行う学生にこちらから積極的に声をかけ、良い関係を構築することで、気軽に質問できるよう雰囲気作りを心がけました。おかげで、もともと苦手意識のあったコミュニケーション能力を向上させることができたと思います。そして、企業での研究職を目指して就職活動を始めたのは、修士1年の春頃。しかし最初は何をすればいいかもわからずでした。キャリアセンターに相談に行き、まずは、就活サイトに登録。エントリーシートの添削もお願いしました。企業研究をする中で、自分の研究の要素を活かせる化学メーカーという希望に合致したのが、富士フイルム和光純薬株式会社です。

社会で役に立つ製品を開発できれば、やりがいと誇りになる

試薬メーカーなので、化学を学んでいる学生ならだれでも知っている企業。普段試薬を使っている側として、高純度・高品質で安定供給できる高い技術にも興味があり、また、半導体や化粧品の材料も作っている、面白そうな企業という印象でした。私の研究は、簡単に言えば、価格が安く危険性も低い二酸化炭素を40%程度含めた化合物で、高性能で利便性の高いプラスチックを作るという内容ですが、採用面接の際に、「この会社には、二酸化炭素を使うようなサスティナブルな技術が不足している。そのようなノウハウを持っている人材が欲しい」と評価していただけたのが内定につながったと思います。製品の開発に携われることが、今から楽しみです。

念願のものづくりの企業に内定。
ゼミでの研究資料作成が
採用試験の研究発表で役立った

伊勢谷 貫太さん(工業化学科4年)

内定先
京セラ株式会社
所属研究室
庄野研究室
卒論テーマ
噴霧微粒化法を用いたマイクロカプセルの調製
出身校
千葉県・松戸国際高等学校
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大学院進学か就職かで悩み、出遅れた就職活動。キャリアセンターが心強い味方に

進学も視野に入れていたこともあり、就職活動を始めたのは4年次の8月とかなり遅い時期。何から始めていいかもわからず、そんなときに頼りになったのが、キャリアセンターです。企業情報の収集や、面接対策などの本を借りたり、わからないことは、キャリアセンターのスタッフに相談することも。その中で知ったのが、京セラという会社。ものづくりに挑戦し続ける会社であり、アメーバー経営という少人数のチーム編成で、社員一人ひとりが主役となる全員参加型の経営は、若い社員にも裁量があり、新しいことに挑戦できる。その企業風土に魅力を感じ、エントリー。3回の面接と研究発表を経て、内定をいただきました。

「化学×ものづくり」への興味から工学部の工業化学科へ

「化学を勉強しても意味がないという人がいるが、この机、椅子一つとっても、化学が関わっている」――その高校の化学の先生の言葉から、「ものづくりに関わる化学」に興味を持ち、工学部にある工業化学科に入学。大学の授業は想像以上にハードで、課題に追われ投げやりになり「この机が何の素材でできてようが関係ない」と友人にグチったこともありました。そんなときに友人から「身近なものの素材がわかるのは、大学でちゃんと勉強してきたからで、それがやりたかったことなんじゃないか」と言われ、「ものづくりに関わる化学」の知識が身に付いていると実感し目が覚めました。自分を励ましてくれる一生の仲間に出会えたのも、この学科に入学して良かったことです。

エントリーから1か月で内定と、終わってみればあっという間の就職活動

採用試験では、卒業研究の進捗状況をプレゼンテーションするという課題もありましたが、ゼミの授業で、先生や先輩から教わりながら研究資料をまとめていたので、焦ることもなく提出資料を作成できました。ただ、まったく化学分野を知らない面接官にプレゼンテーションするため、家族の前で予行練習をして、わかりづらい箇所を指摘してもらったことが、本番で役に立ったと感じています。京セラでは、研究分野とは異なり自分にとって未知の半導体分野に携わる予定です。卒業研究を始めたときも知識ゼロからのスタートだったので、それは同じ。大学の研究で培われたチャレンジスピリットを活かして、世の中に役に立つより良い製品を作っていけたらと、夢は広がっています。

学生向けビジネスコンテストで
海外地域予選に出場。
学生時代の挑戦は将来の糧に

高木 小夏さん(工業化学専攻 修士2年)

内定先
テルモ株式会社
所属研究室
橋詰研究室
卒論テーマ
多糖複合フィルム中でのフルオレセインのpH応
出身校
アメリカ カリフォルニア州チュラビスタ・イーストレイクハイスクール
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手を動かし実験することで、化学の知識を深く理解できる

自身の肌荒れがきっかけで、将来は、気軽に肌荒れ治療ができるスキンケア商品の研究開発に携わりたいと、化学系学科への進学を考えるようになりました。高校のバイオテクノロジーの授業で、座学で原理や現象だけ習っても、あまりイメージがわかなかったのに、実際に手を動かし実験することで、化学の活用法を深く理解できることを知りました。「自分は実験が好きなんだ」と改めて感じ、理科大の化学系学科の中でも、1年から実験の授業がある工業化学科に進学。3年次までは実験のレポート作成が大変でしたが、4年次に研究室に配属されてからは、自分の裁量で研究を進めることができたので、同じ大変でもやりがいが大きかったですね。

世界最⼤級の学⽣向けビジネスコンテストにおいて海外地域予選に出場

学生生活で印象に残っているのは、学部2年次に参加した学生向けビジネスコンテスト「Hult Prize」。3名のチームで「ネパールにおける子供たちの栄養失調問題の解決―モリンガという栄養価の高い植物を含むクッキーの開発と提供」というテーマでビジネスプランを立案。最初は、インターネットやSNSを使い、現地ネパールの取材や調査をしていましたが、文化の違いや言葉の壁など課題も出てきたため、現地調査を慣行することに。ネパールの学生に協力してもらい、現地の方々への取材やアンケート調査を実施しました。ベトナムで開催された海外地域予選(Regional Summit)に出場し、高評価をいただきました。

異文化交流の経験が活かせる企業の研究職に

健康・医療系の応用研究や商品開発を行う研究職に絞って、修士1年の春から企業研究やインターン参加など、就職活動をスタート。内定をいただいた企業の中から、自分の研究分野、生体・医療材料の関連事業も展開するテルモ株式会社を選びました。海外事業に力を入れている企業であるため、異文化交流の経験や語学力も活かせればと思っています。就職活動を通じて学んだのは、大学院の研究室では、かなりピンポイントの研究を行うため、それに直結する仕事は、かなり限定されてしまうということ。だからこそ、勉強や研究以外にも、興味を持ったことにチャレンジしていくことで、キャリアの幅を広げられると感じています。