Lab / Faculty

伊村研究室

材料・プロセス

物理化学

担当教員:

新しい機能を持つナノ材料の「ものづくり」に挑戦

「ナノ」の世界の化学は、皆さんが高校化学で学んでいる常識を大きく覆すかもしれません。貴金属である金は安定性が高く酸化されにくいため、古くから宝飾品などとして利用されてきました。この金をナノサイズの微粒子にすると、電子の働きで赤や青、緑色をあらわすようになります。球状ナノ粒子だと赤色、金平糖形態だと青色になります。さらに、これらは酸化反応触媒として高い触媒活性能を示します。面白いことに、金平糖形態にすると触媒活性能が大きく向上します。当研究室では、ナノ材料の形態制御を基軸として、新たな機能(主に光学・触媒特性)を持つナノ材料のものづくりに挑戦しています。

主な研究テーマ

1)ナノ材料の形態制御手法の開発

水滴が球形をとるように、ナノ粒子も球に近い形をとって安定化します。しかし、非球形のナノ結晶は、不安定ながらもとても高い触媒性能を秘めています。当研究室では、ナノ材料の表面・界面を制御し、球形だけではない様々な形態のナノ結晶の合成に挑戦しています。最近では、ナノワイヤー触媒の合成などを中心に取り組んでいます。
研究論文(英語): https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsomega.1c01895

2)高い触媒性能を持つナノ金平糖の開発

ナノ金平糖の表面は、特異的な原子配列を持つため高い触媒活性能を持ちます。現在は、一種類の金属だけでなく、二種類の金属からなる二元金属ナノ金平糖触媒の開発に取り組んでいます。この二元金属化によって触媒活性能を大きく向上させることが可能となります。
総説(日本語) : https://doi.org/10.4011/shikizai.91.132

3)刺激応答性ナノ材料の開発

外部刺激に対して物性が変化するナノ材料は、その刺激応答性を利用することで機能を自在にスイッチングできます。さらに最近では、磁石により容易に回収・再利用できる磁気応答性ナノ金平糖触媒について報告しました。
研究論文(英語): https://doi.org/10.1021/acsomega.0c02340

最近出版した論文(オープンアクセス)のURLも記載しましたので、興味のある方はこちらもご覧ください。

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